大きな地震に遭遇した人はしばしば「下から突き上げるような力がかかった」と言います。激しい「横揺れ」の合間に「縦揺れ」を感じたというのです。「地震がもたらす力」には「横揺れ」と「縦揺れ」があり、「上下動を感じる」人がいても不思議ではありません。「地震の力」は加速度(ガル)で表現されますか。問題は横と縦の方向に働く加速度のどちらがより建造物に重大な影響を与えるかなのです。その答えは「横揺れ」、すなわち「水平に働く加速度」です。阪神淡路大震災のときに神戸海洋気象台で観測された加速度は「水平方向」が八一八ガルだったのに対し、「垂直方向」は三三二ガルでした。「水平に生じた加速度」、つまり「水平力」のほうが大きく。その力で多数の建物が倒壊したのです。観測データを見る限り、地震で問題なのは「水平力」であり、この「水平力」による影響やダメージと、「建造物の重さ」が密接に関係しているのです。中学か高佼で習ったはずですか、「力」は「加速度」と「質量」で決まります。要するに同じ地震を受けた場合、地震による加速度は同じでも、家が重いとその分「受ける力」も大きくなるということです。Tさんとの話では、巨体を誇った元大閔の小錦と、角界一の軽量力士だった舞の海を例に挙げて、二人が土俵に立っているときに地震が起きた場合、小錦のほうが倒れやすいというやりとりがありました。これは仮に小錦の体重が、普通の人の三倍あるとすれば、「横からの力」に耐える力も三倍ないと、地震のときに倒れやすいのは小錦のほうだということです。これと同じことが「地震と建造物の関係」でもいえるわけです。建造物はその「重さ」に比例して水平力がかかるのであり、したがって「重量のある家」はそれだけ地震のダメージを受ける度合いも大きくなるのです。当然、二階建てや三階建ての家になると上のほうにより大きな加速度が働きます。
[参考]
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