エコロジーとは、一言でいって、人間も生物の一員であることを省みることです。しかし、川を守れ、山を汚すな、道路をつくるな……といった意見をよく耳にしますが、住宅そのものをエコロジー的にとらえなおそうという声は、ふしぎなことにあまり聞いたことがありません。地球上の生物は死ねばかならずゴミになりますが、実際には、そのゴミは土のなかにいるバクテリアによって分解され、炭酸ガスと水と肥料になります。水(水蒸気)は宇宙から取り入れる太陽熱をまた宇宙に帰して温度の平衡を保つという貴重な作用もしているといわれます。しかし、私たち人間は、豊さを追求し、それを実現するためのエネルギーを地球に求め、石炭や石油を掘り出し、消費を繰り返しながら、あげくのはてにそのまま使い捨ててしまうといったシステムをつくりあげてしまいました。住宅に関しても同様です。この数十年間で、日本だけで四〇〇〇万戸以上の住宅建築がなされてきたのですが、その大半がゴミとなりつつあることを考えなおしてみなくてはなりません。世界中の木材資源と化石燃料を消費し、しかも、住宅が使用されている以上、永続的にエネルギーを消費していくのです。コンクリー卜やプラスチックといった新しい素材や物質が出現するまでは、住宅と名のつくものはすべて、大地で生まれ育まれた自然の棄材だけで造られてきました。しかも、それら素材の大半はごく身近な地元で用心され、住宅のなかのものまでもすべて自然素材でできていたのです。日本の木が成長するまでには数十年単位の時間が必要です。昔の住宅は、建築のために木を切り、植樹し、それがちょうど成長した頃に寿命になるよう計算されていたことに気づきます。
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