家の中には細菌の発育できる場は少ないのに、室内の空気中にはたくさんの細菌が浮遊しています。この細菌はどこから来るのでしょうか。屋内の浮遊細菌は、そこで生活する人やペットから発生する細菌がその主体を占め、これに屋外空気中の細菌が加わったものです。屋外の浮遊細菌の発生源としては、土壌や植物表面が主なものですが、これら以外にも家畜の飼育場、屠殺場、ゴミ処理場、汚水処理場などがあげられます。土壌中や植物の葉の上にはバチルス属、シュードモナス属、フラボバクテリウム属などの多数の細菌が生息しており、これらの菌が風雨などの影響で空中に舞い上がり、浮遊菌となります。
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このようにして浮遊した菌の大部分はやがて落下したり、紫外線や乾燥が原因で死滅したりします。しかし、バチルス属は一〇〇度の加熱や長期の乾燥にも耐えるひじょうに抵抗性の強い、芽胞と呼ばれる構造体を形成しますので、環境の変化に強く、屋外の空気中からは多数検出されます。屋内空気中の細菌数は、その主な発生源が人であるため、そこにいる人の数、密度、運動量などで変化します。その数は、風通しの良い室内では空気一立方メートル当り数百個ていど、空調のあるビルでは約一〇〇〇〜五〇〇〇個、一戸建て住宅の室内では一〇〇〇〜一万個ていどです。